着物の種類は格に基づき大きく4つに分けられます。最も格が高い着物が礼装着です。

礼装着は打掛や振袖などが挙げられ、冠婚葬祭や公の式典などで着用する着物です。

着物を着用する際はTPOを意識しましょう。

着物の種類は大きく4つに分けられる

着物の準備15アイテム

着物の格は大きく次の4つに分けられ、着物の種類によって大まかに分類されています。

種類
礼装着(第一礼装) 打掛、黒留袖、振袖、黒紋付(喪服)、色留袖(五つ紋付)など
略礼装着(準礼装) 色留袖(三つ紋付)、訪問着、付け下げ、色無地など
外出着 小紋、絞り、御召、更紗など
街着・普段着 紬、絣、木綿、ウール、浴衣など

第一礼装が最も格が高く、次いで略礼装着、外出着、街着・普段着と続きます。

礼装着の着用が求められる場所では、格の低い着物の着用は避けましょう。

例えば同じ色留袖であっても、五つ紋付は第一礼装、三つ紋付は略礼装着です。

ここではそれぞれの格にあてはまる着物の種類について解説します。

礼装着

礼装着は第一礼装や最礼装とも呼ばれ、冠婚葬祭や公の式典などで着用する着物です。

例えば結婚式を挙げる花嫁が着る打掛や、葬儀の際に着用する喪服などが礼装着として挙げられます。

披露宴などで着る本振袖も礼装着のひとつです。

冠婚葬祭や格調高いパーティで非礼装の着物を着用するとマナー違反にあたるため、注意しましょう。

礼装着の具体例は次のとおりです。

  • 打掛:白無垢や色打掛といったように披露宴などで着用する花嫁衣装
  • 黒留袖:既婚女性が着用する着物の中でも最も格式の高い着物で、五つ紋があしらわれている
  • 振袖:未婚女性の第一礼装。袖丈の長さに応じて大振袖(本振袖)、中振袖、小振袖に分けられ、袖が長いほど格式が高い
  • 黒紋付(喪服):弔事用の服の中でも最も格式が高く、故人の家族や親族が着用することが一般的
  • 色留袖(五つ紋):色のバリエーションがあり、裾のみ柄が描かれている着物で五つ紋が入っている

略礼装着

略礼装着は準礼装とも呼ばれ、礼装着に次ぐ格式の高さを誇る着物です。

略礼装着は入学式や七五三、パーティなどの場面で着用されます。

略礼装着の種類として以下が挙げられます。

  • 色留袖(三つ紋):三つ紋が入った色留袖で親族の結婚式や披露宴などで着用される
  • 色留袖(一つ紋):一つ紋が入った色留袖で親族の結婚式や披露宴、子どもの入学・卒業式などで着用される
  • 訪問着:裾だけでなく上半身にも襟や袖をまたがった柄が描かれている着物
  • 付け下げ:訪問着の略式で上半身にワンポイントの柄が入っている着物
  • 色無地:白無地を黒ではない単色で染めた着物で、紋を入れることで格式を高められる

外出着

外出着はカジュアルになりすぎることなく、かしこまった雰囲気を演出できる着物です。

食事会や観劇などさまざまな場面で活用できます。

外出着の例として以下が挙げられます。

  • 小紋:幾何学模様など細かい模様が全体的に入っている着物
  • 絞り:布地を糸で縛るなどして染色することで模様を付けた着物
  • 御召:御召糸という糸を使って織った着物
  • 更紗:ペイズリー柄や唐草模様などオリエンタルな模様の入った着物

街着・普段着

街着、普段着は着物の中でも普段の外出などに適した一着です。

街着、普段着には次のような種類があります。

  • 紬:節が付いた糸で織った着物で気軽におしゃれを楽しめる着物
  • 絣:絣糸を使って文様をあしらった着物
  • 木綿:洗濯も可能で手入れしやすく、普段着の代表格の着物
  • ウール:安価かつ丈夫で日常使いにぴったりな着物
  • 浴衣:自宅でくつろぐときや外出時の際の軽い街着として着られる着物

着物の帯にも格がある

着物の格は帯にも存在します。帯の中で最も格が高いとされているのが丸帯です。

丸帯は広帯とも呼ばれ、花嫁衣裳や黒本振袖、黒留袖などに用いられます。

礼装や略礼装で多く使用される帯が袋帯です。

袋帯はその名のとおり袋状に織られており、4m以上と長いことが特徴です。

カジュアルな場面で使用される帯としては、名古屋帯、しゃれ袋帯などが挙げられます。

名古屋帯は袋帯より長さが短く、九寸名古屋帯とも呼ばれ模様が多彩であることが特徴です。

しゃれ袋帯はその名のとおり、しゃれ味のある着物に用います

付下げや色無地の場合、袋帯を合わせることで卒業式や七五三に、名古屋帯やしゃれ袋帯を合わせることで食事会や観劇に適したスタイルとなります。

帯によって格を上げ下げすることで、より幅広い場面で着物を活用できるでしょう。

TPOに合わせて着物の種類を選ぶことが大切

着物にはさまざまな種類があります。着物には格があるため、TPOに合わせて選ぶようにしましょう。

例えば冠婚葬祭や公の式典などには礼装着を着用します。

一方、ほどよいカジュアルさを演出するのであれば、小紋などの外出着を着用しましょう。

また、着物だけでなく帯にも格が備わっているため、帯選びも大切です。

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