着物がはじめての方でも、基本知識や選び方のポイントを押さえていれば、マナーを守って着こなせるようになります。
着物は種類によって格式が異なるので、TPOに合わせて選ぶことが大切です。
本記事でははじめての着物を選ぶ際の、ポイントや注意点を解説します。
着物をはじめて着る方が押さえておきたい3つの知識
着物をはじめて着る方は、下記3つのポイントを押さえておきましょう。
- TPOによって選ぶべき着物が変わる
- 着物を着こなすために自分のサイズを知る
- 着物の着付けに必要なアイテムをそろえる
TPOによって選ぶべき着物が変わる
洋服と同じように、着物の場合もTPOによって選ぶべきデザインが変わります。着物の種類を格式ごとに大きく分けると、以下の4つです。
- 礼装着(留袖、振袖など)
- 略礼装着(色留袖、訪問着、付け下げなど)
- 外出着(色無地、小紋など)
- 街着(お召し、紬など)
礼装着は4つの中でもっとも格式が高く、結婚式の際などに着用します。
略礼装着は結婚式から入学式まで幅広いシーンで着用できるのが特徴です。
また外出着はカジュアルなパーティーに向いており、街着はちょっとしたお出かけに適しています。
はじめての着物で悩んでいる方は、付け下げを選ぶのがおすすめです。
帯のデザインを変えることで、TPOに合わせて格を上げたり下げたりできます。
はじめて着物を着るときは、自分のサイズを知り、自分に合ったサイズの着物を選ぶことが大切です。着物のサイズは以下の4つで表されます。
- 身丈(首の横から付け根までの長さ)
- 裄丈(背中の中心から袖先までの長さ)
- 袖丈(肩先から袖口までの長さ)
- 身幅(両袖の付け根下を結んだ長さ)
身丈は基本的に自分の身長と同じ長さと考えて良いでしょう。
また着物のサイズを確認する際は、着物と長襦袢の袖丈のバランスに注意してください。
着物の袖丈が短いと袖の振りから長襦袢が出てしまい、きれいに着こなせません。
着物の着付けに必要なアイテムをそろえる
はじめて着物を着る場合は、着付けに必要なアイテムをそろえましょう。
着物の着付けには、以下のアイテムが必要です。
- 着物
- 帯
- 長襦袢
- 半襟
- 衿芯
- 帯締め
- 帯揚げ
- 草履
- 足袋
- 帯板
- 帯枕
- 腰紐
- 伊達締め
着付けに必要なアイテムの種類は多いですが、着物販売店や通販ではセット販売されている場合もあります。
また体の凹凸を抑える和装用下着や、ボディラインを補正するためのタオルを用意すると、より着物をきれいに着こなせます。
手元にある着物を生かす3つのポイント
祖母や母などから譲り受けた着物が手元にある場合は、以下3つのポイントを押さえることで、お手持ちの着物を生かせます。
- 着物や帯の状態を確認する
- 着物のサイズを測り必要があれば寸法を直す
- 小物は新調して今っぽさを出す
着物や帯の状態を確認する
着物は長くしまい込んでいると、傷みや汚れが生じている可能性があります。
まずは着物を広げ、状態を確認してみましょう。
特に以下は汚れが目立ちやすい部分です。
- 掛衿
- 袖口
- 前身頃
- 裾
汚れの程度によっては、自宅でのお手入れで落とせる場合があります。
水性の汚れは中性洗剤、油性の汚れはベンジンをガーゼに含ませて、トントンと叩くように汚れを除去してください。
頑固な汚れや時間がたってしまっている着物の汚れは、クリーニングに出すのがおすすめです。
着物のサイズを測り必要があれば寸法を直す
帯締めや帯揚げなどの小物は、新調して今っぽさを出すのがおすすめです。
昔の着物には良い素材が使われているものの、デザインが古いと感じる場合があるでしょう。
また経年劣化で変色した帯締めや帯揚げを使っていると、全体的にかすんだ雰囲気になります。
折り込み部分が少なければ、希望の長さに直せない可能性があります。
どうしてもサイズが合わないのであれば、自分用の着物を新たに購入することも検討しましょう。
小物は新調して今っぽさを出す
手元にある着物のサイズを測り、必要があれば寸法を直しましょう。
着物の身丈や袖丈が自分に合わない場合は、寸法を詰めたり伸ばしたりすることで調整できます。
ただし寸法を伸ばすには、着物に折り込み部分が必要です。
周囲から見て目に留まりやすい帯締めや帯揚げを工夫することで、垢抜けたコーディネートに仕上げられます。
発色や光沢がきれいな小物を合わせるのも良いでしょう。
お稽古事ではじめて着物を着る場合の選び方
和のお稽古事では、柔らかい着物を着用するのが一般的です。
はじめての着物には、色無地や訪問着を選んでおくと重宝します。
ただしお稽古事では、先生や社中の方の考え方を優先することも大切です。
お稽古で着る着物に迷った場合は、社中の方にアドバイスをもらいましょう。
また帯締めや帯揚げなどの小物は、シンプルなものを選ぶのがおすすめです。
草履は鼻緒と台が同じ色のデザインを選ぶことで、フォーマルの場でも対応できます。
ポイントを押さえてはじめての着物を楽しもう
着物をはじめて着る方でも、最低限の知識やマナーを押さえれば、身近なものとして着物を楽しめるでしょう。
はじめての着物を選ぶ際は、どのようなシーンで着用するのかを考慮することが大切です。
TPOに応じたコーディネートは、着物をきれいに着こなすためには欠かせません。
また手元にある着物を生かしたいなら、小物は新調して今っぽさを出すのがおすすめです。
本記事で紹介したポイントを押さえて、はじめての着物を楽しみましょう。